グレーベ市
Claus Voglhofer氏
時間予約制による市民サービスの効率化と利便性向上
窓口への来庁件数40%減、待ち時間ゼロ、満足する市民、そして職員にとってより良い職場環境を実現しました。 2017年、グレーベ市の市民窓口は完全予約制の導入を決定しました。段階的なスタートだったにもかかわらず、すでに効率的に運営されていた市民窓口において、多大な成果を上げています。
*この記事は2019年に書かれたものです。
革新的なデジタル戦略
グレーベ市は2012年からFrontDeskを活用し、窓口の受付・番号管理システムを運用しています。FrontDeskの導入は、市民サービスの効率化と質の向上を目指す革新的なデジタル戦略の一環でした。FrontDeskによる計画的な管理と職員の再教育を通じて、行列を解消することが目標でした。
議論を呼ぶ施策
2017年、FrontDeskのオンラインシステムを活用した完全予約制の導入を決定しました。すでに、手続き時間の短縮・削減、市民のニーズに合わせた柔軟な開庁時間など大きな成果を得ていました。しかし、市民がデジタルの利便性をさらに活用できる環境を整えることを目指していました。
完全予約制は議論を呼ぶテーマであり、市議会議員・市民・職員からの批判もありました。市議会からは、「これはサービスの質の低下につながり、支援が必要な市民、特に高齢者が困難に直面することになるのでは」といった懸念の声があがりました。職員側も懐疑的で、デジタル化がさらなる効率化の圧力や人員削減につながるのではと不安を抱いていました。
段階的な導入
各関係者の懸念に対応するため、複数の戦略を採用しました。まず、新たな取り組みを明確に伝える大規模な広報キャンペーンを実施しました。デジタル郵便ポストや地域紙を活用したことで、多くの市民が当初から「ウェブサイトで予約する」という流れを理解していました。
また、段階的な導入として、週の一部のみ予約を必須とし、月曜日は予約なしでの来庁を引き続き認めました。さらに、追加サービスとして「案内スタッフ」を配置しました。案内スタッフは市民窓口への来庁者を出迎え、予約なしで来た市民のサポートや、高齢者・支援が必要な市民への対応にあたります。
「目標はリソースを有効活用しながら、同時にサービスを強化することでした。以前は職員がそれぞれ専門分野に特化していたため、一部の窓口に長蛇の列ができる一方、年金や旅券窓口の担当者が手持ち無沙汰になる時間帯もありました」 — 市民サービスセンター・デジタル化責任者 Claus Voglhofer氏
質へのこだわり
削減された時間は人員削減ではなく、退職などによって調整されました。同時に、業務の質の向上を優先しました。完全予約制により、支援を必要とする市民に対して充実したサービスを提供できるようになりました。また、複雑な案件に集中して取り組む余裕が生まれ、新しいプロジェクトを立ち上げる余力も生まれました。窓口対応が職員の業務の大半を占めていた以前には考えられなかったことです。
「2016年当時に最も懐疑的だった職員でさえ、今では『なぜもっと早く完全予約制を導入しなかったのか』と首をかしげています」 — 市民サービスセンター・デジタル化責任者 Claus Voglhofer氏
予約時間よりも早い対応と窓口業務時間70%短縮
完全予約制は大成功を収めました。。予約制により、市民がウェブサイトを確認してオンラインで済む手続きに気づいたため、来庁する市民が大幅に減少しました。また、ウェブサイトで予約する際に事前確認が行われ、必要な書類や手続きの流れが案内され、来庁時にはすぐに手続きを開始できる状態となり、3年間で対応時間が半減、2019年は平均約5分となっています。
予約制の導入は、対応件数を25,000件から15,000件と40%減少させただけでなく、対応時間も短縮させました。職員は2016年の時点で4,200時間窓口業務に従事していましたが、2019年には年間1,250時間のみとなり、3年前と比べて約3,000時間、つまり70%の時
間を節約したことになります。
待ち時間は2016年の17分から「マイナス3分」へと変化しており、市民は平均して予約時間の3分前に対応を受けられています。以前は長時間待つこともありましたが、2018年末には対面手続きの需要が大幅に減少し、水曜日には窓口対応を行わなくてもよくなりました。
満足する市民
完全予約制の導入に対する市議会議員や市民の支持を得るために、市民サービス課は満足度調査を実施しました。2017年3月から8月にかけて、来庁したすべての市民に体験についてアンケートを行いました。結果は圧倒的な支持を示しており、行列がなくなったことへの喜びと、新たなデジタルサービスを活用する意欲が伝わってきました。96%の市民が「対応が非常に良い」と回答し、89%が「待ち時間は許容範囲内」と答えました。
「セルフサービスをサービス低下と捉えるのではなく、サービス向上と考えています。市民の80%はほとんどの手続きを自分でできますし、その環境を整えることが私たちの役割です。残り20%の市民は来庁して予約のサポートを受けることができます」 — 市民サービスセンター・デジタル化責任者 Claus Voglhofer氏
完全予約制にも例外はあります。急を要する用件(財布を失くして保険証が必要など)の場合は予約なしでの来庁も可能です。また、開庁時間内は電話でのサポートも受けられます。
「過去最高のプロジェクト」
— 市民サービスセンター・デジタル化責任者 Claus Voglhofer氏は、FrontDeskの完全予約制の導入・運用の両面を高く評価しています。新しいデジタルシステムは通常、導入初期に多くの課題が生じるものですが、FrontDeskにはそれがありませんでした。、初日からそのメリットを実感できました。FrontDeskは市民窓口向けに専門設計されており、調整の必要はありません。しかし、特別なニーズがあれば、FrontDeskは柔軟に対応できる構造を持っており、アイデアから解決策の開発まで迅速に対応できます。Voglhofer氏はこの点を特に評価しています。
「『できないことはない』という精神が全体に浸透した、素晴らしい取り組みでした。FrontDeskを活用した完全予約制は、私のこれまでの最高のプロジェクトです。全員が満足しています。FrontDeskは市民窓口向けに作られており、使いやすく、管理も簡単です。システムを触る機会は月に5〜6回程度、研修などに伴う窓口時間の調整をするときだけです」 — 市民サービスセンター・デジタル化責任者 Claus Voglhofer氏